くらげ重工業

随想録

20170310 無題

起床失敗。夢は忘れた。
 
『深海魚のなかには、浮力調整のため身体にワックスエステルが大量に含まれる種類のものがいて、ワックスエステルは人間には消化できないので、食べると尻から油分が噴出する』といった内容の体験談を数本読んだ。朝一でするべき作業じゃないな。
 
お昼から学校で作業。締切が遠いのでいまいち身が入らないし、楽しくならない。締め切り間際にギリギリでものが仕上がってくるときの没入感が好きだ。ギリギリじゃないと現実感がないというか。友人にそういう話をしたらドMだと言われた。多分違うと思う。
 
お風呂に浸かって考えごとをする。
『ここは明暗の差が極めて激しい空間で、明るい場所や暗い場所は常に動かず、固定されている。そして、さまざまな生き物がいる。ある生き物は、明るい場所と暗い場所の境目付近に生息していて、この明暗差を利用して狩りをしたり天敵から逃れたりする。この生物は分厚いまぶたと目を4つ持っていて、そのうちの2つはまぶたの裏に発光器官が付いている。暗い場所にいるときは、まぶたに発光器官のついている方の目は閉じていて、まぶたの裏で光を見ている。天敵が来たときや獲物を狩るとき、暗闇から明るい場所に移動し(あるいは獲物を明るい場所に追い詰み)、今まで開けていた発光器官のない方の目を閉じ、発光器官のある方の目を開ける。天敵や獲物は暗闇から急に明るいところに移動したせいで目が眩んで、無力な状態になってしまう。これがこの生き物の狙いだ。明るい場所から暗い場所へ移動するときは今の逆をやればよい。この空間の生き物たちが私たちと同じようにロドプシンで光を見ているとしたら、明順応が安定するのに10分、暗順応が安定するのには30分ほどかかるはずだ。この時間が必要ない四つ目の生き物たちは、かくして大繁栄することとなる…』
このようなことを考えていた結果、気づいたら一時間ぐらい経っていて、お湯が水になっていた。ものすごく寒い。僕みたいな生き物は無駄な考えごとをしているうちに無残に死んでしまって繁栄しなさそうだなと思った。