Eclipse

随想録

20161111~20180204 tanka

 
 
 
降り積もる雪が埋葬する景色 終わらぬ喪中の凍てつく街路
 
 
寒いねって振り向くとじゃあ帰ろうとはにかむ君の青いくちびる
 
 
晩冬の汚れた雪を握りしめ滴り落ちるぼくらの明日は
 
 
開いたままの窓 今年最初の南風 遠い雷鳴 喪失の予感
 
 
無色よりきれいな色はないんだよ 映らぬ方が話さぬ方が生まれぬ方が美しいから
 
 
火柱が夜の帳を押し上げて救いの国が空覆う日まで
 
 
音もなく路上で死ぬカマキリのために 真綿のような初雪よ降れ
 
 
せっけんが目に痛むのはおれ自身の不浄への報いであろうか
 
 
春のあさ光を待たず消えた雪だけが知っている世界の秘密