Eclipse

随想録

20160719 夢日記

 ポリバケツに詰まった貞子の死体を絶叫しながら順番に殴っていくと、どこからか現れた青白い人間が花火のように打ち上がり、上空で炸裂してカラフルな臓物を撒き散らす。おれが貞子の死体を殴り続けると、一定の間隔を置いて一体、また一体と青白い人間が現れては夜空に登った。真っ黒な空間をバックに強烈な色光を放ちながら弧を描いて降り注ぐ臓物たち。その光景を眺めるうちに、おれは恍惚状態になっていた。
 あるとき突然身体が宙に浮いた。おれは、さっきまでの青白い人間のように、自分もこれから空に打ち上がって臓物を撒き散らすのだろうと考えた。それはとても名誉なことに思えた。おれは早く炸裂したくてウズウズした。しかしいつまで経ってもそうはならなかった。おれはただ高いところを浮いていた。これはなんなのだろうか。もしかするとおれは浮遊能力を手に入れたのかもしれない。そうだ、そうに違いない!おれが浮遊を自らの能力によるものだと認めた途端、身体が自由になった。おれは嬉しかった。鳥のように空を飛ぶことがおれの夢だったのだから。姿勢を制御し、加速度を自在に操り、縦横無尽に空を飛ぶ。
 それからどれほどの時間飛び続けていたのか分からない。数分のことだったかもしれないし、数年経ったようにも思えた。突然、ある考えがおれの脳を支配した。身体を直角に捻った。天地が逆転し、身体がいっそう加速する。おれはずっとこうしたかった。空間を揺らすほどの巨大な哄笑。終端速度に達した身体が、ぶつかってくる空気を次々と切り裂き、たくさんの新しい音が生まれた。そして、それらの音は哄笑と混ざり合い、美しく壮大な音楽を奏でた。おれは幸せだった。やがて音楽はフィナーレを迎え、その最高潮に達した盛り上がりの中で、おれの身体は地面に激突して粉々に砕け散った。